2019年9月30日から始まったNHK朝の連続テレビ小説「スカーレット」(主演 戸田恵梨香さん)で取り上げられている信楽焼。信楽焼は、日本六古窯のひとつに数えられており、朝ドラ「スカーレット」の舞台となっている滋賀県甲賀市信楽を中心に生産されています。
信楽焼の歴史は長く、瀬戸、常滑、丹波、備前、越前とともに日本の六窯の一つとされ、聖武天皇の紫香楽宮造営にあたって瓦を焼いたのがそのはじまりといわれています。そして、室町末期に侘び茶が盛んになると、これまで作っていた器が茶陶として用いられるようになり、信楽焼は全国にその名を知られるようになりました。
信楽焼の魅力は、なんといっても素朴なまでの土の風合い。信楽の土は、焼き締めるとほんのりとオレンジがかった緋色とよばれる独特の発色を見せます。自然の豊かさをそのまま活かした力強さです。その素朴な味わいとぬくもりは、長い歳月を超えて人々に愛され、人々の心をとらえてきました。現在でもその伝統を受け継ぎながら、自然そのものの生命感と土との相性、そして現代に求められる「遊び」と「癒し」を吹き込み、独自の器観をひとつひとつ表現したアイテムが生産されています。丹精込めた陶工たちの手仕事が作り出す妙味は、信楽焼独特の趣です。